収穫前の気温の低下と雨、並びに豪雨により全体的にシビアな年であったが、低地のそれ比べれば糖度はまずまず得られていた。とは言え、やはり前年に比べると、酸の存在がより明確に感じる。柔らかなタンニンにし、全体を大らかに作る事で品種の個性(特に外来種)の出方を抑えて全体的なバランスに長けた内容と言える。カカオ的なニュアンスを持ちながらもやや硬質な面を持つ仕上がり。
Fattoria Kappa(ファットリアカッパ) は、トスカーナ州リヴォルノの内陸に位置するカステッリーナマリッティマを拠点とする、小さな生産者。オーナーでもあるアンドレア・ディマイオ氏の指揮の下、畑は基本的に有機栽培を実践し、ワイン造りについてはビオディナミを取り入れるなどし、独自のワイン感に基づき個性的なワインを生産している。複数の葡萄を使いながら、その緻密なまでに高い完成度を誇るワインは近年評価を高めている。